映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』レビュー、感想

先日、7月22日に公開された映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』を早速見てきたのでレビューをしようと思う。私の好きな作品の一つである『四月は君の嘘』の監督であるイシグロキョウヘイの作品となっており、期待していた作品であった。

 

評価 8/10 

恋愛映画としてすっきりした作品であり、ひと夏の恋を感じられる作品だと思います。最初は退屈するかもしれませんが、最後に伏線が回収され、とてもよくまとまっていたと思います。

 

あらすじ

人前で話すことが苦手な青年チェリーと人気ライバーであるが、出っ歯であることを悩む少女スマイルとが出会い、自身のコンプレックスと向き合い、受け入れ、お互いを好きになっていく物語である。

 

チェリーとスマイル

チェリーは人とのコミュニケーションを避けており、人に話しかけれないように常にヘッドホンをしていた青年である。彼は直接伝えるのは苦手だが俳句なら思いが伝わると考え、俳句を詠むのが好きであった。スマイルは出っ歯が恥ずかしくコンプレックスであり、常にマスクを着けている少女であった。彼女はライブをするときもマスクを着けていた。

 

感想

この物語においては、二人がお互いのコンプレックスを受け入れ解決していく様に感動した。チェリーに関しては無口だった青年が彼女と夏を過ごすうちに進んで思いを伝えようとする青年になる。スマイルに関しては自身は出っ歯を嫌っていたが、彼が読む俳句の中にそんな歯でも好きという歌があるなど彼と過ごす夏を通して、最後には受け入れるようになる。

そんな二人がコンプレックスを受け入れることができたのはお互い恋をしたからであり、最後に明らかになり、ときめく気持ちになれた。またチェリーが俳句が好きということも効いてくる。俳句の季語に山桜という言葉があるが、これは出っ歯の人を指すようであり映画の終盤で彼が読んだ歌とかかわりがわかるようになっている。

総合して恋をして終わりではなく、前半に張られた多くの伏線を最後に回収していく作品となっているが、注意深くみなくてもわかるようになっている。非常に見やすい映画で甘酸っぱいひと夏の恋を感じられる良作となっている。夏にぴったりな作品でぜひ見ていただきたいと思う。

映画『ジョゼと虎と魚たち』レビュー、感想

2回目の記事は、2020年12月25日に公開された『ジョゼと虎と魚たち』について書こう

と思う。映画に筆者は感動し、2回も映画館に鑑賞しにいったほどであった。

この映画は小節を原作としており、その比較も検討する。

 

評価 10/10  

 

あらすじ

大学で海洋生物学を学んでいる恒夫は、メキシコでの幻の魚の群れを見るという夢を追いかけ、アルバイトに明け暮れる苦学生である。

ある日、バイトの帰りに坂から落ちてきた車いすの少女、久美子を助ける。久美子の付き添うをしていて彼女のおばあちゃんがお礼をしたいということで久美子の家に行き、夕飯をごちそうになる。そこで、おばあちゃんにあるバイトを持ちかけられた。そのバイトというのは、車いすの久美子の注文を聞くというものであった。

久美子は自身のことを彼女の好きな小説に出てくる「ジョゼ」と恒夫に呼ばせた。彼女はわがままであり恒夫を振り回されていたが、恒夫は彼女にひるむことなく向き合っていき、そんな二人は距離を詰めていくというものである。

 

 まず、この物語は純愛物語であり、ハッピーエンドで終わるので非常に見たあと清々しい気分になれると思います。以下感想と解説です。ネタバレを含みます。

 

久美子とおばあちゃん

久美子(ジョゼ)は障害者であり、小さい頃から車いすで生活であった。そのため、彼女は小説を読むことや絵をかくことが多く、ほとんどを自宅で過ごしていた。彼女のおばあちゃんは、障害を抱える久美子に「外は恐ろしい猛獣ばかり」と伝えていおり、久美子をめったに外に出すことはなかった。恒夫と出会った日はたまたま久美子を夜の散歩に出していただけで、坂から落ちたのは描写はされていないが「虎」(障害者に対する奇異の目やいたずら)のせいなのである。小説ではその点も絵が描かれている。

 

恒夫のバイト

久美子の注文を聞くというアルバイトをジョゼのおばあちゃんから持ち掛けられた恒夫だったが、ジョゼのわがままさに辟易する。やめようと思ったところで、ジョゼに一つのお願いをされる。それは「海を見たい」というものだった。海に夢を追い求める恒夫は、彼女を海に連れていく。海という共通項をもっていた二人は、海岸を訪れることで距離を縮めた。この物語の中盤の重要なポイントである。ジョゼを外に連れ出すことをおばあちゃんに禁止されていた恒夫をだったが、ジョゼがもっと外の世界を見たいと言い出したため彼女をいろいろな場所に連れ出した。ジョゼは夢を追いかける恒夫をとすごすうちに、自身も画家になるという夢をもつようになり、明るくなった。

あるシーンで動物園を訪れ、二人で「虎」(この物語においては障害者に対する偏見や差別の象徴)を前にする。ジョゼは恒夫に「おまえとなら見れるかもしれないと思った」伝え、恒夫がジョゼの支えともなってた。

 

おばあちゃんの死

ジョゼの生活を支えていたおばあちゃんは急死していしまい、ジョゼは一人で暮らしてかなければならなくなった。恒夫にバイト代を払うことができなくなったため「もうこなくてよい」という。また彼女は、生活を支える人がいなくなり現実的に画家の夢を追いかけるのあきらめた。そんなジョゼを恒夫は心配していた。

 

最後の仕事

ジョゼは最後に二人の距離を縮めることのきっかけとなった海岸に連れて行ってほしいとお願いする。ジョゼは夢をあきらめることとこれが恒夫にとって最後の仕事であると伝えた。すると夢を追いかけ、留学の予定も決まり、夢がかないそうになっていた恒夫から励まされるが、ジョゼは突っぱね、障害を抱えるがゆえのつらさを吐露した。

 

恒夫の事故と紙芝居

一人で帰ろうとしたジョゼだが、横断歩道を渡る途中で事故にあいそうになる。そこを恒夫が助けたため、恒夫は大けがを負ってしまった。けがのため留学の予定はなくなり夢はかなわくなってしまい、恒夫は投げやりになってしまった。そんな恒夫を見て、ジョゼは今度は自分が恒夫を支える番だと感じて得意な絵をつかった紙芝居を作って恒夫を励まし恒夫に前を向かせた。これはこの映画のなかでも屈指の感動するシーンです。

 

恒夫の退院

リハビリも終わり、退院の日の前日にジョゼが訪れ恒夫に感謝の言葉を残す。恒夫は明日来てほしいと伝えるが、ジョゼは来なかった。ジョゼは恒夫に頼らず生きていくこと決意したのであり、その日一人で動物園を訪れ、「虎」と向きあったのだ。しかし、ジョゼはまた坂から落ちてします。そんな危ないジョゼを恒夫はまた救うのであった。そこで恒夫はジョゼに告白し二人は結ばれるのである。

 

感想

夢を追いかける二人が同じ海という点で距離を縮めるのが非常によかった。ジョゼにとっては本物の海を見たいという願い、恒夫にとってはまさにかなえたい夢がそこにあるといった共通点が見えやすくよかったと思う。またいつの間にか恒夫がジョゼの支えとなっており、恒夫もジョゼと過ごすうちにひかれあうのもの恋愛ものとしてすばらしいと感じた。また物語前半は障害を抱えるジョゼを恒夫が支え、後半では夢を追いかけること諦めた恒夫をジョゼが支えるという二人が二人を支えるといった点もよいと感じた。障害者は常に支えられるだけではないということが伝わった。ジョゼは一人で生きようとするが、恒夫が支えになりたい好きだという思いをジョゼに伝え、二人がこれからも支え合って生きていくのだとハッピーエンドで感動した。映画は「虎」部分が、小説と比べると少ない。車いすを蹴られる場面など「虎」を象徴するところはあるが、小説では、性暴力の対象となっていること、坂からいたずらで落とされること(映画ではカットされているが、最初の坂を落ちる原因はいたずらだった可能性が高い)で描かれている。しかししっかりと動物園のシーンで「虎」を見せることでメッセージはつたわった。非常に満足できる映画であると思うのでぜひ見ていただきたい。ブルーレイが間もなく発売でネットフリックスなどで配信される日も近いであろう。

 

映画『竜とそばかすの姫』レビュー、感想

7月16日に公開された細田守最新作である『竜とそばかすの姫』を公開当日に鑑賞して

きた。公開当日であったためか、緊急事態宣言が出ていている状況ではあったが満員御

礼であった。まだレビューを書きなれていないということから拙い部分や、ネタバレと

ももとれる点も見受けれれることもあると思うが容赦願いたい。

 

 映画の評価 6/10

 

あらすじ

物語は仮想空間『U』を舞台となる。『U』はユーザー数を50億を数え、仮想空間では現実世界の自分を模したアバター『As』を自由に操ることができる。

 

主人公である冴えない女子高生・すずは、幼い頃に母を別の子どもを助けるため増水する川に飛び込んだために亡くしていて、それ以来、歌が歌えなくなってしまった。ある日、『U』の世界に出会い、名前のすずから『Belle』という名で登録した。『U』の世界では、現実世界では歌えなかった歌が歌えたのであった。彼女の歌は噂が噂を呼び歌姫となり、『U』では知らないものはいないほどの有名人となった。

 

有名人となったすず・『Belle』であったが、ある日ライブをしていると乱入者が現れ、その名前は『竜』と呼ばれており、背中にはあざを抱えていた。彼は『U』の平和を乱し、忌み嫌われるものとなっていた。中には、正義を掲げ『unveil』(アバター『As』の姿を外し、現実世界の正体を明かすこと)しようとするものをいた。すずは『竜』の真相をさぐり彼の問題を解決しようし、少しずつであるがその心に寄り添っていくのである。そして『竜』の問題を解決し、すず自身の問題をも解決するのである。

 

感想

仮想空間ということで、本作と同じ監督の作品であるサマーウォーズがよく挙げられるようであるが、筆者はまだ見ていない。そのため、私がこの作品を見て近いと思ったのがソードアートオンライン(SAO)である。特に、アニメ2期前半のガンゲイルオンラインが思い浮かんだ。この作品では、主人公は現実世界で銀行強盗を銃殺したために銃に対して拒否反応を示すが、仮想世界のガンゲイルオンラインでは普通に銃を扱うことができるのだ。主人公はその仮想世界で問題を解決し、銀行強盗を殺してしまった過去を受け入れ、前を向くというのがあらすじである。本作も、主人公のすずが『U』を通じて『竜』と出会い、自分の問題と彼を解決していくという点で類似しているように思った。

 

すずと『竜』

本作ではすずと『竜』との共通点すくなく、なぜすずが深い思い入れをもって『竜』とかかわろうとしたのかについてあやふやのように感じた。SAOでは、主人公の問題を解決するのにあたってのキーパーソンとなる人物も、人を殺してしまった経験がある。二人が共感することは容易に想像できるであろう。しかし、『竜』は背中に傷を負っていて『U』の平和を乱すということだけで、すずと共通点はない。すずは『U』では人気の歌姫であり、心を寄せることは好奇心以外に考えられない。きっかけが好奇心であってもよいが、すずが深入りする点は見当たらなかった。

 

死んだ母への理解

『竜』は傷を負っており、その正体は虐待される弟を守る兄でありアバター『As』に見られる傷は虐待の時に受けたものであった。『竜』の正体を知ったすずは、彼を救おうとコンタクトを試みる。自分が歌姫『Belle』であることを伝え、助けたいという思いを彼に伝える。しかし、彼はすずを信用しなかった。すずは『U』の世界で『unveil』することで『Belle』が自分であることを伝えるのだ。そこですずが母が他人の子を助けてときの思いを知って、彼女の問題を解決しただろうというシーンが写し出されるのであり、そこがあまり理解できなかった。(私の理解が乏しいだけかもしれないが)まず川に飛び込んで子供を助けるのは命がけの行為であるのに対し、『U』の世界で『unveil』することは確かに勇気のいることであるが世界に自分の正体を明かすことに留まる。それをしたことで本当に母の思いを知れるのか、知ったとしても何を知ったのかがわからなかった。SAOでは、主人公は、キーパーソンが人を殺してしてはしまったがそのことによって救われた命があることが伝えることで銀行強盗を殺した過去の解決へとつながる。本当に『unveil』することで解決につながっていたのか?

 

 現実世界での反映

本作では仮想世界に入る前の歌への拒絶ということが、仮想世界での解決を通じて現実でも反映されるシーンがない。SAOに銃に対する拒否感が問題の解決を通じて、現実世界でも耐えれるようになっているという描写があるのとは大きな違いである。本作では最初の歌への現実世界での拒絶感が、最後には一切触れられていないのである。

 

父との関係

最後に母が死んでからの冷めた父親との関係回復も問題解決に含まれていて、『unveil』とのかかわりがわからなかった。おそらく『竜』を助けに行こうとするすずに対して父は『君はお母さんに似て優しい子になった。竜を助けてあげなさい』とのメッセージを送り解決するのだが、それで長い間のいさかいは解決するものか?と疑問に思った。

 

 

以上のような理由により内容はあまり納得的ではなく、6/10という評価となっている。しかしながら、映像と歌は圧巻であり映画館で見ることは非常に価値ある作品となっており、さすがは細田守といったものだと感じた。

 

初めてのブログで拙く、論理的で説得的なものになっているかはわからないがこのあたりで締めようと思う。次は私の好きな作品である『ジョゼと虎と魚たち』についてあげようと思う。

 

 

 

 

初めてのブログ

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